大学に入学したての頃は、特に貧乏な学生として知られていた。教授たちはアンディを苦学生だと思い込み、それなら仕方ないと大目に見てやることが多かった。そんな同情心があったからこそ、卒業できたのだろう。というのも、アンディの成績はいつも落第すれすれだったからだ。美術以外の教科ならエリー・サイモンが手伝うこともできたが、美術の課題だけは本人でなければできなかった。それをアンディはいつまでも提出しなかったり、課題の内容を取り違えたりする始末だった。もちろん、画材(デッサン用の上等な紙やインクや絵の具)にかかる費用のほかにも金は必要だったので、手当たり次第にアルバイトをした。
参考文献/「伝記 ウォーホル パーティのあとの孤独」フレッド・ローレンス・ガイルズ著 野中邦子 訳