押田 隆好

FLORT

時間という瞬間の連続、その間に存在する浮遊感。

バレエダンサー針山愛美との出会いにより、撮りたい!時間を止めたい!と、今までに感じたことのないほどの衝撃を受けました。私は、踊りや音楽は時間芸術であると考えます。時間という流れと共に、ある時は漂うように、また、ある時は抗うような連続した動き。二度と同じ瞬間は訪れない、だからこそ美しく、心に残るのでしょう。時間という瞬間の連続、その間に静かに浮遊しながら存在する、祈り、希望、孤独など、様々な思いや美を瞬間芸術である写真で表現しました。                フォトグラファー  押田 隆好

人は誰だって、美しいものを見れば美しいと感じることでしょう。バレエダンスは、音楽のテンポに合わせて、丹念に鍛え上げられた身体とその動きに優美さと芸術性を感じるものです。写真という手法を用い、ただ無味乾燥に映像にするだけでは「バレエダンス」というドキュメンタリーになってしまいます。造形的な視点から見ると、くっきりとした輪郭は多くの人々に知覚されやすいのですが、この作品のように朦朧とした輪郭には、ただ単に動きのブレという単純なことではなく、激しい動きの後に微妙に遅れて身体についていこうとする、美しい浮遊感を感じるのです。

針山愛美 バレエダンサー

ボリショイバレエ学校を首席で卒業。モスクワ音楽劇場バレエ団、エッセンバレエ団(ドイツ)、米国バレエインターナショナル、クリーブランド・サンホセバレエ団、ボストンバレエ団でプリンシパルとして、ウラジーミル・マラーホフ率いるベルリン国立バレエ団で10年間活躍。レニングラード国立バレエに招かれ『白鳥の湖』と『ジゼル』に主演、大成功を収める。ウランウデ国立バレエ団で『白鳥の湖』と『ジゼル』に客演主演した際、大臣から表彰を受ける。