高根 友香
Relations
自然界の美しさには、いつも驚かされる。
草花など植物や、虫のディテール、富士山の幽玄とした佇まい、海の懐の広さや刻一刻と変わる表情、 山の緑濃ゆい空気、太陽の底知れぬ偉大さ、妖艶で神秘的な月、、、。
数え上げるとキリがない。自然界の生き物は、トキと共に生きている。 トキが満ちれば花を咲かせ、種を付け、土に落とし、また季節がくれば、芽を出す。 そうして生命のリレーをただただ繰り返している。 その生命の大リレーが、ドラマチックで目が離せない。
特に私にとって最も身近なのが、虫と植物だ。虫や植物の色やカタチ、 雰囲気、佇まい、毛の生え方、模様。虫なら目のつき方、植物なら種の付け方、、、。 トンボの羽のあの美しい模様には、ひとつひとつ意味があるらしい。すごい! 見れば見るほど、なんで?どうして?と、「うきうきわくわく」してくる。 こうして私の好奇心は、どんどん掻き立てられる。
その「うきうきわくわく」して、びっくりした発見や、感動したことを作品に込めている。 そして身近な自然の凄さに、少しでも気づいて欲しい。 日々忙しくて、目に入らない小さな自然にも、「うきうきわくわく」はたくさん転がっていることを」
全てのカタチには、ひとつひとつ意味がある。
虫や植物が好きだという高根友香は、日常の自然界の中に独自の視点で美を見出します。全てのカタチには、ひとつひとつに意味があるらしいけれど、その自然の偉大さに興味が湧き好奇心を掻き立てられるのかもしれません。都会で暮らしていると、虫が部屋に入って来ようものならみんな大騒ぎです。虫の立場になってみれば、ただ生きることに精一杯なだけのはず。我利私欲に夢中になっている現代人には、虫や足元の雑草などに目が行き届かなく 踏みつぶしても気がつかないかもしれません。生まれては消えゆく、生命の大リレーを思い描きながら銅版を彫る、 高根友香の優しくも不思議な世界をお楽しみください。