ジュリアはアンディを息子というより一人の仲間として見ていた。夫のオンドレイはめったに家にいなかったし、上の二人の息子はいつも友達と出歩いていた。だが、アンディは、学校に行っているとき以外はずっとそばにいた。このように母と息子が密着するようになったのは、一つに特異な容貌のせいで息子が仲間外れにされるのではないかとという心配からきていたが、もっと大きな動機は単純な愛情だった。ジュリアはアンディを熟愛し、息子が一番好きなものを本能的に探りあてた。息子のために使える1ドルがあって、新しいシャツを買ってやるか、それとも映画とチョコレートサンデーにするかという場合、ジュリアは必ず後者を選んだ。
参考文献/「伝記 ウォーホル パーティのあとの孤独」フレッド・ローレンス・ガイルズ著 野中邦子 訳