アンディが6歳の誕生日を迎え、時期新学期というときに一家は最後の引っ越しをして、南オークランドのドーソン・ストリート3252番地に建つ赤煉瓦造の家に落ち着いた。後年、アンディは自分が育った家を近くのマッキーズポートにあったというようになる。製鉄所と肉体労働者の町で有名だったマッキーズポートは、映画「ディア・ハンター」に登場する製鉄所に似ていた。アンディが幼少時代に包み込んでいた雰囲気、また、子供時代の彼と相容れなかったスーパーマッチョの価値観がはっきりと映し出されている。それは、現代美術に見られるマッチョな個性、抽象表現主義の前触れであった。後年のアンディは、その男っぱい美術ムーブメントに反抗することになる。
参考文献/「伝記 ウォーホル パーティのあとの孤独」フレッド・ローレンス・ガイルズ著 野中邦子 訳