私は17歳だったわ。何も知らなくて。あの人は私と結婚したがったけど、私は嫌だった。男の人のことなんて考えたこともなかった。17歳ですもの。母も父も「彼を好きになれ、好きになれ」って。でも不安だった。父さんは私をぶって、あの人の嫁になれっていう。私に何がわかるというの?親切な牧師さんが来ていったわ。「あのアンディ(オンドレイ)というのはいい青年だ。結婚しなさい」私は泣いた。何も分からなくて、アンディ(オンドレイ)がまたやってきたわ。キャンディをもって。私はキャンディを食べたことがなかった。彼はキャンディをくれたの。とてもおいしいキャンディ。あのキャンディのせいで、私は結婚したのよ。
ジュリアの話は冗談ではない。ジュリアと末っ子のアンディはキャンディに目がなかった。のちに、アンディはあるインタビューで、ハーシーのキス・チョコとキャンディ・バーがどれほど好きかを熱心に語った。コマーシャル・デザイナーになって必死に働き、売れっ子になったおかげでチョコレートが好きなだけ買えるようになった。「今では、ハーシーのキス・チョコとキャンディ・バーをいっぱい積み上げた部屋ができたので、もうそのことを考えなくて済む」
参考文献/「伝記 ウォーホル パーティのあとの孤独」フレッド・ローレンス・ガイルズ著 野中邦子 訳